五節句と行事食について
五節句とは、季節の節目に邪気を払い、五穀豊穣・無病息災などを願う伝統的な行事です。
奈良時代に中国から伝わった、奇数が重なる日をめでたいとした考えが元になっており、
江戸時代に幕府が節句を元に制定した五つの節日が現代まで残っています。
今回は五節句についてブログ担当者が集めた情報と美濃吉のお料理についてご紹介していきます。
※由来や起源については諸説ありますのでご了承ください
人日(じんじつ)の節句 一月七日
「七草粥」はもともと中国が起源で、官吏昇進が決まる一月七日に薬草の若葉を食べて立身出世を願ったことに始まります。その後日本に伝わり平安時代には宮中行事として、江戸時代には公式行事となり、一般家庭にも広まっていきました。生命力あふれる七草を食べることにより一年間の無病息災を祈り邪鬼払いに良いとされました。
節句の食べ物
春の七草を使った料理
春の七草(セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ)は
胃腸を整える薬草のような働きをするので、おせち料理や祝酒で疲れた胃を休めるのに
最適な食材と言えます。
美濃吉のお料理「七草豆腐鍋」
春の七草とお豆腐がメインのお正月のごちそうで疲れた胃腸を癒すのにぴったりのお鍋です。
自慢の出汁でじっくりと煮込んでいただくと口当たりよく召し上がれます。
上巳の節句(ひな祭り) 三月三日
三月三日は五節句のひとつ上巳(じょうし)の節句です。古代中国より伝わり桃の花の香気が鬼を追い払うと考えられていました。桃の節句は女の子の節句とされ、日本で雛人形を飾って祝う様になったのは室町から江戸初期にかけてのこと。それ以前は紙や粘土で作った人形に、けがれや災いを移して川や海へ流し子供の無病息災を願っていました。
節句の食べ物
ちらし寿司
京都では「ちらし寿司」に「ぬた」(和え物)、「蛤のお吸い物」が定番です。
蛤は、対になった貝殻しかぴったり合わないことから夫婦和合の願いが込められています。
汚れた水を嫌う蛤は純潔の意味もあります。
雛あられ
ひな祭りに雛あられを食べ始めた由来は諸説あり、はっきりとしていません。
関東の雛あられがうるち米から作る砂糖で味付けしたポン菓子であるのに対し、
京都を中心とした関西圏では、しょう油や塩などで味付けした餅をあぶったあられ菓子です。
菱餅
ひな祭りの行事食の一つで三色の餅を重ね供えます。
三色の色合いと重ねる順番には意味があり、下の緑は草(ヨモギ)を表し邪気を払う、
真ん中の白は(清浄さ)子孫繁栄、上の紅は桃の花(魔除け)を表していると言われています。
※諸説あります
美濃吉のお料理「はまぐりの茶碗蒸し」
ぶりっとした、はまぐりを自慢の出汁と卵と共にふっくらと蒸し上げました。
あっさりとした中にはまぐりの旨味と風味がたっぷりとあふれています。
端午の節句(こどもの日) 五月五日
「端午」とは月初めの「午(うま)の日」という意味です。
古代中国では月が一年の中でも悪い月とされ、旧暦五月五日に邪気を払う行事が行われていました。
日本でも田植え前の五月、菖蒲とよもぎの屋根の下で厄を払う女性の祭りがあり、
中国の風習と結びついて五月五日に菖蒲湯に入るなどの習わしが生まれたと言われています。
端午の節句が男の子の祭りに変わったのは江戸時代の頃からで、五節句の一つにも定められました。
「菖蒲」は「尚武」に繋がり「勝負」にも通じます。男児のいる家では鯉のぼりを上げ、武者人形を飾り成長を祝う習わしが続いています。
節句の食べ物
柏餅
柏は新芽が出るまで葉を落とさない事から縁起の良い木とされています。
その柏の葉で巻いた「柏餅」は室町末期頃から、子孫繁栄の願いを込め食すようになりました。
ちまき
中国戦国時代の楚の国の忠臣であった堀原(くつげん)が五月五日に川に身を投げ、人々はその死を悲しみ竹筒に米を入れて投げ入れたところ、屈原の霊が表れ「米は茅萱の葉で包んで糸で結んでほしい」といったことに由来しているそうです。
七夕の節句 七月七日
日本では古来より「棚機つ女(たなばたつめ)」と呼ばれる女性が織った布を神に納め、無病息災を願う行事がありました。この行事と先祖供養の「盂蘭盆(うらぼん)」の七月七日とが重なり広く定着しました。その後、中国の「乞巧奠(きっこうでん)という裁縫や書道の上達を短冊に書き、竹に吊るして願う7月7日の星祭り「織女と牽牛伝説」とが結びつき「七夕祭り」の行事となりました。
節句の食べ物
七夕素麺
奈良時代に中国より「索餅(さくべい)」という素麵の原型となったお菓子が伝わりました。
日本では「麦縄」とも呼ばれ、旧暦七月七日の七タの儀式に供え物の一つとして使われたといわれています。そのため平安期から宮中における七夕の行事に「そうめん」は欠かせない供物とされていました。
美濃吉のお料理「七夕そうめん」
七夕にちなんで色とりどりの星空を表現した星形の具材と天の川を表現した
そうめんの彩りがとても華やかな一品。美濃吉自慢のそうめん出汁でお召し上がりください。
重陽(ちょうよう)の節句 九月九日
中国では古くから縁起が良いとされてきた陽数(奇数)の中で一番大きい九が重なる日(旧暦九月九日)が大変めでたいとされてきました。この日は高い丘に登り菊酒を酌み交わし長寿と無病息災を願う風習があり、この風習が奈良時代に日本に伝わり「菊花の宴」として宮中で行われたのが始まりです。
庶民の間では秋の収穫祭にちなんで「お九日」(おくんち)として祝うようになりました。
節句の食べ物
菊を使った料理
「菊花ずし」・「酢の物」・「かき揚げ」など、菊の美しさと香り滋養の高い菊の味を楽しみます。
菊には解毒作用があり、お刺身に添えられた菊の花は飾りだけではなく、その役目もしています。
美濃吉のお料理「里芋の萩まんじゅう菊花あんかけ」
古くから菊の花には長寿と無病息災を願う意味があります。
土の恵みの里芋に味付けをした鶏ミンチを包み、萩の花に見立てた一品。
菊花の餡(あん)をかけ、満足感のある食べ心地に仕上げました。