京洛四季暦

24節気「雨水」

雨水(うすい)とは

冬と春の境目の時期となり、寒暖差が激しく健康管理に気をつかう日々が続いております。
2月19日~3月4日頃までの時期を24節気での「雨水(うすい)」といいます。
寒さも徐々に和らぎ、降る雪も柔らかい春の雨に変わります。山の雪や沢の氷も融け始め、せせらぎとなり大地を潤います。強い南風「春一番」が吹くのもこの頃です。

ひな祭り

参考:ひな祭り弁当

由来は古代中国の「川で身を清め邪気を払う」という禊の儀式、上巳節(じょうしせつ)にあるといわれています。この儀式が古くから日本の厄払いの風習である「人形(ひとかた)流し」と結び付き、後に平安時代中期に貴族の子供の遊びである「ひいな遊び」と組み合わされて現在のひな祭りへ変化していきました。
上巳とは3月上旬の巳の日のことで、当初は3月の最初の巳の日に行われていましたが江戸時代に入り3月3日がひな祭りとして定着していきました。

蛤(はまぐり)

参考:はまぐりの茶碗蒸し

ひな祭りやお食い初めなどおめでたい席に欠かせない食材です。
蛤の貝殻は同じ貝のものでなければピッタリと合わない、ということから女の子が生まれると生涯幸せであるように、夫婦和合の象徴とされています。

季節の食材

わかさぎ

漢字では「公魚」と書くのは、江戸時代に年貢として幕府に納められていたことがその由来です。
小ぶりで身も柔らかく、冬から春先にかけ産卵期となるワカサギのプリっとした卵の食感が楽しめ、骨まで丸ごと食べられるカルシウムの豊富な魚です。

飛魚

波の間を飛ぶように跳ねる飛魚は、春から夏にかけてが旬です。
食材としても美味しい魚ですが煮干しとしても美味で長崎県や島根県の「あご出汁」は有名です。

明日葉

明日葉は生命力が強く、葉を摘んでも明日になるとまた新しい葉が伸び出すことから、この名がついています。セリ科の植物ですがクセや灰汁も少なくお浸しや天ぷらなどで食されることが多いようです。

季節の行事

さんやれ祭り

京都市北区の上賀茂神社では毎年2月24日に行う幸在祭(さんやれさい)という行事があります。
数え年15歳の男子を対象に元服(大人入り)を祝うもので前日の23日の夜、「宿」に集まり夜を明かします。
翌日に鉦や太鼓・笛の囃子で田の神と山の神が祀られる上賀茂神社などに参拝して大人入りしたことを奉告(神や仏に謹んで知らせる)します。現在でいう成人式に当たります。
(さんやれ祭りは全国各地でも執り行われます)

梅花祭

京都市上京区の北野天満宮で菅原道真の祥月命日である2月25日に行なわれる祭典です。
左大臣藤原時平の謀略により太宰府に流され非業の死を遂げた道真公がこよなく愛した、紅白の梅の花を神前にお供えし同公を偲び盛大な「梅まつり」が行われます。
豊臣秀吉が京都北野天満宮の境内で催した北野大茶湯にちなみ、境内の梅苑この日は「野点」の席が設けられお点前が披露されます。

季節のお料理

花菜

ブランド京野菜の「花菜」は、元々は切り花用として栽培されていた「伏見寒咲き菜種」のつぼみを食用に改良したものです。
軸の先にギュッと詰まった花のつぼみは独特の風味とほのかな苦み、心地よい食感が特徴です。
サッと茹でてお浸しや辛し和え・すまし汁など爽やかな春の味覚を楽しめます。
2月が収穫の最盛期で主産地は京都府長岡京市です。

京都菜の花の辛子和え

食卓の彩りに欠かせない菜の花はビタミン・カルシウム・鉄分も豊富です。
新鮮な花の菜の緑は春を待つ心。菜の花の苦味みと辛みが絶妙な春の味覚をお届けします。
素材の持ち味を活かした爽やかな口当たりをお楽しみください。

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