24節気「小寒」
小寒(しょうかん)とは
明けましておめでとうございます。本年も変わらぬご愛顧のほどよろしくお願いします。
1月6日~1月19日頃までの時期を24節気での「小寒(しょうかん)」といいます。
寒の入りから寒の明けまでのおよそ一か月間を寒の内と言い、寒さが極まる日々が続きます。
芹(せり)が群れを成し生え、凍っていた水が流れ始め、雉(きじ)が鳴き始める、そんな時期です。
室礼
松の内(1月7日)があける、この時期から1月末頃までに「寒中見舞い」を出せばよいとされています。
また、お正月で使った道具類を片付けます。
春の七草
1月7日は五節句の始まり「人日の節句」です。朝食に七草を入れたお粥を食べます。
粥に入れる七草は、せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろです。
平安時代にはこの日に野に出て若菜を摘み、自然界の恵みを受け無病息災と長寿を願います。
蕪(かぶら)
「蕪」は春の七草の一つで古名でスズナとも呼ばれています。
春の蕪は柔らかく、冬は甘みがあり葉にはカロテン・カルシウム・鉄分・白い実にはビタミンC・カリウムが豊富です。煮物や漬物、すりおろし白身魚やエビなどを包んで蒸した「かぶら蒸し」など幅広い料理として好まれています。
蕪を使ったお料理
聖護院かぶらと甘鯛のかぶら蒸し
丁寧にすりおろした聖護院かぶらに卵白を加え、一塩霜降りにした甘鯛をやさしく包み込みます。
天然鯛の旨みに、熱々にした銀餡と聖護院かぶらが混ざりあい、まろやかな美味しさが楽しめます。
十日戎
関西方面では1月9日から三日間、「商売繁盛で笹持ってこい」の景気のいい掛け声が響きます。
特に10日の「本戎」には大阪の今宮神社・京都のゑびす神社・兵庫の西宮神社に多くに商売繁盛の神
「恵比寿様」の飾りと笹を授かりに多くの人が祈願に来ます。
鏡開き
神様にお供えした鏡餅を下げ、雑煮や汁粉などに入れていただきます。
古来、日本では神聖な「鏡餅」は刃物を使わず、木槌(きづち)で叩いて割る風習が受けて継がれてきました。
小正月(こしょうがつ)
1月1日の元旦を大正月と呼ぶのに対して1月15日を小正月と言います。
正月中、忙しく働いた女性たちがやっと一息つける頃で女正月とも呼ばれます。
五穀豊穣を願う習わしが多くあり、この日は昔から小豆粥を食します。
お米と小豆を粥にしたもので、これを食べ一年を無病息災で過ごせるようにと願います。
季節の食材
鯉
鯉は淡水魚の中で最も多く食料として重宝されてきました。まな板に載せても物おじしない魚として「まな板の上の鯉」でも表現されているように、縁起の良い魚として江戸時代から刺身・汁もの・寿司などの料理があります。
京都の小松菜
日本各地で収穫されますが、中でも美味しいのが京都の小松菜です。
柔らかくシャキッとした歯ごたえと味わい深さがあります。
ブロッコリー
柔らかく菜の花に似た味わいであり、胡麻和え・お浸しなどに適しています。
ブロッコリーは日本各地でも生産していますが、京都の土壌で育つと軸まで柔らかく、美味しさは格別です。
鮟鱇(あんこう)
鮟鱇は捨てるところがない魚と言われ、その身のどの部分も美味しく、特に「肝」は海のフォアグラとも言われます。鍋物や、刺身・寿司ネタなど多彩ですが、部位に毒をもち処理が難しいため、高級魚として専門の料理店などで扱われています。
金柑
黄金色の金柑が店頭に並ぶ季節。皮に甘みがあり、皮ごとおいしく食べられます。
ビタミンCやE、カルシウム・食物繊維などが豊富な金柑は、風邪の予防にもなると昔から薬用にも用いられてきました。多くの栄養素は皮に多く含まれています。
この時期おすすめの料理
七福茶巾
七つの「ん」のつく素材( なんきん・にんじん・ぎんなん・れんこん・いんげん・だいこん・はんぺん)を縁起よく詰め合わせた「運」盛り茶巾。
縁起物の食材と油揚げに出汁の旨みがたっぷり沁み込んだ、滋養に満ちた健康祈願の料理です。