二四節気「小満」
小満(しょうまん)とは
母の日も終わり、本格的に新緑が映える初夏を感じる季節になってまいりました。
5月20日から6月5日頃までの時期を24節気での「小満」といいます。
あらゆる生命が天地に満ち溢れる頃であり、陽の光を浴びて畑の麦が大きく穂を実らせて輝き、草木は生き生きと成長し滴るような青葉になります。
衣替え
平安時代には宮中行事として定着していました。当時は4月と10月に着物を替えていましたがその後、時代の流れと共に調度品なども替え、江戸時代には年4回の衣替えが行われるようになり手持ちの着物を仕立て直し季節に合わせて衣替えをしていたようです。
季節の食材
空豆
4月から6月頃が旬です。
空豆の莢(さや)は天に向かって突くように成長し、収穫期の莢の中には大きな豆が弾けそうに並んでいます。ふっくらとした空豆は蚕(かいこ)の繭に似ていることから「蚕豆」とも書きます。
爽やかな季節の味をお楽しみください。
鱚(きす)
旬は初夏から初秋にかけてで、日本(北海道以南)や東南アジアの地域まで分布しています。
鱚(きす)は白身の魚で脂肪が少なく淡泊な味が特徴です。クセがない上品な味は塩焼き・から揚げ・天ぷらなど多くの料理で親しまれています。
梅の実
梅の実の収穫期は6月から7月です。日本には飛鳥時代に伝わり、平安時代には薬用として用いられてきました。疲労回復や殺菌作用もあり、保存食として加工されています。
枇杷(びわ)
果物としても美味しいですが、枇杷には多くの薬効があるとされ、乾燥させた葉を煎じる「びわ茶」は免疫力を高め、咳止めなどにも効果があると言われます。
鮎
6月に鮎釣りが解禁されると、いよいよ夏の訪れ。
胡瓜に似た独特の香りから「香魚」とも呼ばれており、琵琶湖の鮎は有名です。
季節初めの鮎をじっくり塩焼きにすると骨まで食べられます。カルシウムやリンなど栄養価も高く、他にも天ぷらや甘露煮などが人気です。
蛸
麦の収穫の頃に獲れる蛸は「麦藁蛸(むぎわらたこ)」とも呼ばれます。
蛸を食用にしている国は大変珍しいと言われていますが、古くは奈良時代の文献に「蛸」の記載が見られ、江戸時代の女性の好きな食べ物として「芋・蛸・南瓜」と言われたほどです。
じゅんさい
スイレン科の多年生水草で幼葉や若芽の部分を丁寧に摘み取ります。旬は初夏から夏にかけての短い期間です。綺麗な水に育まれた「じゅんさい」は寒天状の幕に覆われプリプリとした食感とツルリとしたのど越しが特徴です。酢の物や汁物などが人気です。
向暑の京都の行事をご紹介します
貴船祭り
京都市左京区の貴船神社で例年6月1日に行われる例祭です。
貴船川沿いでかつて春と秋に行われていた「貴布禰御更祭」を起源とし「水の神」を祀る神社で国の豊穣と安寧を願う祭礼です。貴船の名称は神武天皇の母(玉依姫命)が黄色い船で、淀川・貴船川を巡り水神を祀ったことに由来しているといわれています。
この時期おすすめのお料理
滋賀県産 鮎の塩焼き
初夏に旬を迎える滋賀県産の鮎を、川面を跳ねるように串を打つ「踊り串」で塩焼きに。
鮎そのものの旨味をたっぷりとお楽しみください。