京洛四季暦

二四節気「立冬」

立冬とは

木枯らしが吹き、霜が降りるほど寒さが増す季節となってまいりました。
11月7日~11月21日頃までの時期を24節気での「立冬」といいます。
木枯らしが吹き冬型の気圧配置に変わってくると本格的な冬の到来です。
早いところでは降雪もみられる為、暖房器具の準備が必要です。

七五三

参考:赤飯イメージ

七五三が11月15日に行われるのは、旧暦の十五日が鬼宿日(きしゅくび)に当たり、この日は鬼が街中を出没しない日とされ、鬼宿日は何をするにも吉であり縁起が良い日として、氏神様へ収穫の感謝を兼ねて子供の成長を祈るようになったことが由来とされています。
七五三の祝いをする家では内祝いとして、親類や近所に「赤飯」を配る習慣があります。赤い色は邪気を払うという意味から鯛や海老・赤飯・ちらし寿司などを用意し、現代ではてまり寿司なども喜ばれます。

亥子祭(亥の子餅)

旧暦10月の亥の日、亥の刻に行われる祭りで大豆・小豆・ささげ・胡麻・栗・柿・糖の7種を混ぜた餅を食べます。起源は古代中国の宮廷儀式で多産なイノシシにあやかり子孫繁栄を祈願する行事が、次第に収穫祭の意味合いが強くなり特に西日本で庶民に広まりました。亥は火を逃れるとし、この日に囲炉裏やこたつを出す風習がありました。茶家では「炉開き」が行われ茶家の正月を祝います。

初冬の京都の行事をご紹介します

嵐山もみじ祭

毎年、11月の第2日曜日に嵐山で開催されているお祭りです。
嵐山・小倉山の紅葉の美しさをたたえ、守護する神に感謝すると共に、
この土地の豊かな史跡や文化を紹介する目的で始められました。
優雅で華やかな舟が渡月橋上流一帯で嵐山にゆかりのある船遊びを繰り広げます。

お火焚き饅頭

11月の京都の寺や神社では火焚きの神事が行われ、秋の収穫に感謝し五穀豊穣・厄除け・土地の安全を祈願する行事があります。供物として欠かせないのが「お火焚き饅頭」。粒あん、こしあんが入った紅白の饅頭には無病息災を願う火焔宝珠(かえんほうじゅ)の焼き印が押されています。

季節の食材

海老芋

参考:海老芋イメージ

海老芋は冬を代表する京野菜です。もとは里芋ですが京都の土壌で改良され、大きくもっちりとした食感にキメ細かさと適度な粘りと甘みがあり上品さを備えています。茹でた海老芋を出汁に戻すと繊維が解放され出汁の旨味を含みます。京都のお節料理には欠かせない長寿の縁起物でもあります。

甘鯛

参考:甘鯛の茶碗蒸し

日本の生息域は太平洋の南・山陰・瀬戸内・九州などで多く水揚げされます。旬は晩秋から冬で、特に福井県の若狭で獲れる甘鯛は京都や大阪など関西方面で「ぐじ」と呼ばれ祝い事や懐石料理に使われます。身が柔らかく甘みがあり上品で独特の香ばしさのある高級食材です。

平目

主な産地は北海道・宮城県・青森県などで秋の終わりから冬に掛けてです。透き通った白身が美しく、昔から海の幸のご馳走とされてきました。旬の平目は食感も甘みも旨味も極上で刺身にすると脂がのってとろけるようです。

この時期おすすめのお料理

京都海老芋のから揚げ

ほくほく、もっちり食感の京野菜「海老芋」の甘みを活かしたから揚げです。
昼夜の寒暖差が大きい京都の冬ならでは、根菜の美味しさを味わえます。
外は香ばしく中はほくほくに仕上げ、素材の旨味が楽しめます。

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