京洛四季暦

二四節気「立秋」

立秋(りっしゅう)とは

8月も引き続き厳しい暑さが続きますが、月の後半にはほのかに秋の気配も感じられます。
8月7日から8月21日頃までの時期を24節気での「立秋」といいます。
暦の上ではもう秋の始まりです。八月の暑いさなかに時折吹く涼風、虫の鳴き声や草木の変化に近づく秋を感じます。季節の挨拶も暑中見舞いから残暑見舞いに変わります。

お盆

お盆の間はお供え物を毎日替えます。13日は餡のついたお迎え団子、14日はそうめん料理、15日は送り団子(白玉団子)というように精進料理と共に様々なお供えをして供養し、報恩感謝の念を表します。

季節の食材

山科茄子

山科茄子(やましななす)は、鮮やかな紫色の皮と柔らかな白い果肉が特徴です。
収穫時期は夏から秋にかけてで、煮物や揚げ物、漬物などに使われます。
山科茄子は甘みと旨みも豊富でホクホクとした食感が楽しめますが、皮が薄く傷つきやすいことから流通量の少ない希少な京都の伝統野菜です。

昆布

参考:一口昆布巻

主に夏から秋に北海道・東北で収穫し乾燥させて出荷されます。
一般的には冬から春にかけてが旬で、海水が冷たくなる季節は塩分濃度が高くなり厚みや旨味を増すため特に高級品として扱われ日本料理には欠かせない食材です。夏にも昆布は収穫されている為、一年中流通しており、現代病の予防に必要なアルギン酸やフコダインなどの栄養を豊富に含んだ天然の薬と言えます。

桃は7月~9月が食べ頃です。日本の「白桃」は岡山県が元祖と言われており、ふっくら丸みがありとろけるような甘い果汁が溢れます。ちなみに8月8日・9日・10日は語呂合わせで「はくとう」の日だそうです。

いなだ・はまち

鰤の若魚で体調は30~40㎝、この頃のものを関東では「いなだ」、関西では「はまち」と呼び出世魚として知られています。1m近い「鰤」に成長するまでに5年ほどかかりますが成長の時期により美味しさも異なります。旬は冬で天然鰤の産卵期に脂乗りしたものが美味しいとされます。

冬瓜

旬は夏で出荷は8月に最盛期を迎えます。冬瓜は果肉のほとんどが水分なのでよく出汁や味を染み込ませ、夏の暑い盛りには餡かけ・スープ・酢の物など冷やしていただく料理が好まれます。
冬瓜の名の由来は収穫後、切らずに冷暗所に保存すると冬まで保つことからこの名がついたといわれています。

オクラ

オクラは暑さに強く水分や栄養素をたくさん含んでいます。ビタミンCや食物繊維など健康に良い成分が豊富で、サラダや煮物・天ぷらなどいろいろな料理に使います。オクラのぬめりは消化を助け胃や腸の粘膜を保護したりする効果があります。原産地はアフリカで後に北米に伝えられ世界に広がりました。
和名はアメリカネリ、「陸蓮根」ともいます。ちなみに「オクラ」は英語です。

鯒(こち)

初夏から秋を代表する昔ながらの高級魚です。特に刺身が絶品で高たんぱく・低脂肪・ビタミンB2も豊富なことから夏バテ防止にも。主に南日本の海の浅い砂地で小魚や海老などを食べています。

臭橙(かぼす)

江戸時代に栽培が始まったといわれる「かぼす」は酢橘や柚子に比べ酸味がまろやかです。
生産量の97%が大分県で、臼杵市内には樹齢200年もの古木も存在します。刺身や焼き魚、鍋などに添えると豊かな香りが素材の美味しさを更に引き立てます。

残暑の京都の行事をご紹介します

五山送り火

8月16日の夜、京都盆地周辺の山々に送り火を灯し、お盆に帰ってきた先祖の精霊を贈る行事です。起源は諸説ありますが、仏教が庶民に浸透した室町以降とされ、松明の日を空に投げ祖霊を送る風習から、その火が留まるように山に点火されるようになったものといわれています。大文字・妙と法・舟形・左大文字・鳥居形の順に点灯され厳かで美しい光景は京都の夏の風物詩です。

この時期おすすめのお料理

京都万願寺唐辛子の海老すり身揚げ

万願寺唐辛子は肉厚で辛味も少なく、海老のプリプリとした食感と良く合います。
爽やかな素材の彩りと、さっぱりとした風味が食欲の減退しがちな夏の食卓に最適です。

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