京洛四季暦

24節気「大寒」

大寒(だいかん)とは

今季一番の寒さが続いているこの頃。防寒対策を万全にし体調管理に気を使いましょう。
1月20日~2月3日頃までの時期を24節気での「大寒(だいかん)」といいます。
一年中で最も寒さが厳しい時期で寒さに耐えて体力・精神力を養う寒稽古もこの頃行います。
陽が少しづつ長くなり早いところでは梅の開花も見られ、寒さの中に春を感じる頃でもあります。

二十日正月

この日はお正月に迎えた神様が早朝に元の場所へお帰りになる日です。
古くは新年の祝い収めとして仕事を休む習わしがあり、家事などで忙しかった女性が里帰りをしたり里帰りから戻ったりしました。
正月のお供え物や飾り物など、すべてこの日に片付けて正月行事を終えます。
主に西日本では正月に欠かせない鰤の骨や頭で、鍋や団子にして食べつくすことから「骨正月」「頭正月」とも言われています。

旬の食材

春菊 • 菊名

独特の香りと風味があり主に鍋物や和え物などに使われます。
一般的には株が上に向かって伸び「春菊」と呼ばれますが、関西では「菊名」と呼ばれ株は横に広がっています。
同じ種類ですが出荷方法にも違いがあり「春菊」は株の部分を切り落とし、「菊名」は根のついたまま出荷されています。

本鮪

鮪の種類は多くありますが、本鮪と呼ばれるのは「クロマグロ」だけです。
日本人が食用としたのが18世紀頃からで、江戸時代には近海で豊漁となり安価で手に入る魚として赤身を醤油漬けにして保存し食するようになりました。
当時は安く手に入る葱と脂身の部分を鍋にして手軽に食されていたようです。
現在この脂身の部分は最高級の「とろ」として珍重されています。

公魚(わかさぎ)

通年漁獲される魚ですが、美味しい時期は冬から春にかけてで今がまさに旬です。
わかさぎは脂が少なく骨まで丸ごと食べられるのでカルシウムが豊富に摂取できます。

節分

節分とは文字通り、節(季節)の分かれ目のことで本来は立春・立夏・立秋・立冬 の前日を指します。
節分が特に立春の前日を指すようになったのは、旧暦では立春が正月と同じく新年の初めとされていたためです。

鰯と柊(やいかがし)

参考:いわしの柔らか煮

鰯はニシン目の魚で「マイワシ」「カタクチイワシ」「ウルメイワシ」などがあり、日本各地の沿岸で漁獲されています。地域により違いがありますが、冬の鰯は脂乗りがよく身が締まり光っています。
鬼は鰯が苦手との言われから鬼を払うことができるとし節分の夜に鰯を食べるようになりました。
また魔除けのおまじないとして焼いた鰯の頭を柊の枝に刺し、門口や家の軒下に吊るす風習もあります。これを「やいかがし」と言い棘のある柊と鰯の臭いで鬼を追い払うおまじないです。

恵方巻き

参考:ご運節分巻き寿司

関西発祥の比較的新しい行事で、縁起の良い方向(恵方)を向いて無言で太巻き寿司を丸かじりすると一年を無病息災で過ごせると言われ、この巻き寿司を「恵方巻き」と呼んでいます。
太巻きの具材は七福神にちなみ基本は七種類。各地での食材はそれぞれで絶対的な決まりはありません。

節分の京都の行事をご紹介します

節分祭

2月3日には全国各地で節分祭が行われます。
京都市左京区の吉田神社では室町時代に節分祭が始まり、2月3日の節分を中心に前後3日間にわたって行われるようになりました。災いをもたらす疫神を鎮めるための疫神祭や、古式に則した宮中行事の趣を伝える追儺式(ついなしき)、納められた古神符守札を焼き納める火炉祭などの神事が行われます。
追儺とは季節の変わり目にやってくるとされる鬼を祓う儀式に由来しています。

この時期おすすめの料理

煮穴子とかにの温寿司

蒸し寿司ともいわれ温めて召し上がっていただく、ちらし寿司です。
冬に美味しいカニ身を、ふっくら上品な味わいの煮穴子と共に彩りよく温寿司に盛り付けました。
酢飯には京都の千鳥酢を使用し、まろやかな味と香りが感じられます。
冬の京都の風物詩を是非お召し上がりください。

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