二四節気「芒種」
芒種(ぼうしゅ)とは
6月に入り雨の日が増え、じめじめした梅雨の気配を感じる頃となってきました。
6月5日から6月20日頃までの時期を24節気での「芒種」といいます。
この頃にカマキリの卵から幼虫が孵化します。カマキリは農作物をあらさず、害虫を捕まえる益虫としての一面もあります。また穀物の種まきや麦の刈り取り、苗の植え付けなど忙しい時期です。「芒(のぎ)」とは稲科の植物の穂先の棘状の突起部分で、鳥獣による害から種子を保護し、また動物の毛や衣服に絡まり種子を拡散する役割があると言われています。
水無月(みなづき)
旧暦6月は田植えの季節。渇いた田んぼに水を入れる頃でもあり「水無月」「水月(みなづき)」「水張月(みずはりづき)」などと呼ばれました。 梅雨が明け日照りが続く時期、稲が実を結ぶために重要な水を願う人々の思いが表れているのだと言われています。
季節の食材
茗荷(みょうが)
茗荷は人家の裏庭や藪の影など陽の当たらない場所で良く育ちます。根茎は土の中を横に連なり、夏には卵型のつぼみが出てこの部分を食用にします。独特の辛みと爽やかな香りが食欲をそそり、刺身のつまや漬け物、冷やした麺類の薬味などに用います。
縞鯵(しまあじ)
天然物は1メートルにもなりますが市場価値の高いものは30~40cm位です。背は青緑色で腹の部分は白銀色、横に黄金色の縞があるアジ科の魚です。
日本では夏頃から旬を迎え、背の青い魚と白身魚の良いところを取ったような味で、何より刺身が美味の超高級魚です。
らっきょう
ユリ科の多年草で平安時代に中国から伝わったと言われます。古くは薬用で江戸時代頃に食用として普及していきました。水はけのよい土を好み鳥取砂丘や福井県、沖縄県などで栽培されています。
独特の香り、辛み、爽やかな涼感に食欲増進の効果もあります。
トマト
初夏の日を浴びて熟したトマトには脂肪の吸収を抑えるリコピンや脂肪の燃焼を抑えるクエン酸/・ビタミンA・C・食物繊維などの他、多くの栄養素が含まれています。
栽培方法の促進により一年中収穫できますが本来、トマトは高温多湿には向いていないため、露地物の最も美味しい時期は、春から初夏にかけてと秋が糖度も栄養価も最も高くなります。
するめいか
旬は5月から9月頃で日本では北海道、青森などで多く水揚げされます。
東シナ海で産卵し、わずか1ミリほどの幼生は日本海で成長しながら北を目指して長距離を回遊します。
10か月ほどで大人になり、再び東シナ海に向かい産卵を終えた雌は約1年で短い一生を終えるのです。
スズキ
旬は6月から8月頃で白身魚の代表格です。名前の由来は水ですすいだような透明感のある身など、様々な説があります。淡泊ながら独特の旨味と風味があり「洗い」や「塩焼き」「奉書(ほうしょ)焼き」などスズキならではの香りを楽しめます。
また出世魚でもあり地方により呼び方に違いはありますが、1年目をセイゴ、2年目をフッコ(ハネ)、3年目をスズキと言います。
薄暑の京都の行事をご紹介します
竹伐り会式
京都市左京区の鞍馬寺で例年6月20日に行われる行事です。
水に感謝し災厄をたち伐る儀式で、竹を大蛇に見立て伐る早さで吉凶を占います。
平安時代の初期、鞍馬寺を中興した峯延(ぶえん)上人が山中で修行中2匹の大蛇が襲ってきた際に、雄の大蛇は退治し、雌の大蛇は説法を聞き神前に供える水を守ることを誓ったとの由来があります。
この時期おすすめのお料理
夏野菜涼風寄せ
旬の夏野菜を自慢の出汁で固めた見た目も涼やかなゼリー寄せです。
口あたりも爽やかで、食欲が低下する暑い夏にもさっぱりと召し上がっていただける一品です。